令和8年1月16日 身体障害者相談員研修会「個人情報保護」 多久島岩ア法律事務所 弁護士 岩ア雄大 個人情報保護の重要性 ・コンプライアンス⇒「個人情報保護法」の遵守 ・相手との信頼関係の構築・維持 ・社会的信用の維持 個人情報とは? @ 生きている個人の情報 A 特定の個人が識別できる情報   または B 他の情報と合わせることで容易に個人が識別   できる情報 ※ マイナンバー・パスポート番号・顔認証・指紋   等も含む 自己情報コントロール権 個人が自分に関する情報を自らコントロールできる 権利 ※ 憲法13条の幸福追求権から派生 ※ プライバシー権とともに認められる = 自分の個人情報の使い道を自分が決める(選ぶ)権利 個人情報取扱事業者とは? 「個人情報データベース等を事業の用に供している者」 ⇒ 個人情報を検索できるように体系的に構成したもの   ※ 個人も対象 ※ 営利・非営利を問わない ※ 法人格を持たない団体も含まれる 相談を受ける側が扱う個人情報(例) ・相談予約表 ・相手に書いてもらった相談シート ・相手とのメールのやりとり ・自分が書いた相談記録 ・自分が書いた報告書 要配慮個人情報 ・本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、  犯罪により害を被った事実  + ・本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じな  いようにその取扱いに特に配慮を要するものとして「政  令」で定める記述等が含まれる個人情報 政令の内容(まとめ) ・身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)  その他の個人情報保護委員会規則で定める心身の機能の  障害があること ・医師や医療従事者により行われた健康診断等の検査結果 ・健康診断等の結果に基づき医師や医療従事者により心身  改善のための指導等が行われたこと 要配慮個人情報の取得のルール ・あらかじめ本人の同意を得ないで、要配慮個人情報を取  得してはならない  相談シートに記入してもらう場合は…? 利用目的 <ケース1>  相談員のAさんは、相談に来たBさんに、住所・氏名・  メールアドレス等を相談シートに書いてもらった。  ある時、Aさんは、素晴らしい講演会があることを知り、  その情報をBさんに伝えたいと思って、相談シートに書  いてあるメールアドレス宛に案内メールを送った。 利用目的に関するルール@ ・相手から直接、書面に記載された個人情報を取得する場  合には、あらかじめ、本人に対し、個人情報の利用目的  を明示しなければならない ・利用目的はできるだけ特定しなければならない 利用目的に関するルールA ・あらかじめ本人の同意を得ないで、利用目的の達成に必  要な範囲を超えて、個人情報を取り扱ってはならない <ケース1>の場合は…?   第三者提供 <ケース2>  相談員のAさんは、Bさんの相談にのった後、相談内容  の解決のためには、友人でカウンセラーのCさんの助け  が必要と考え、Bさんの情報をCさんに伝えて、Cさん  から貴重なアドバイスを受けた。 第三者提供に関するルール ・あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者  に提供してはならない  ⇒「後で同意をもらいます」はダメ <ケース2>の場合は…? こんな場合は? <ケース3>  相談員のAさんは、昨日相談を受けたBさんの父親とい  う男性から、Bさんが自傷他害をほのめかしており、ど  んな相談をしたのか警察等に提供する必要があるため、  相談内容を教えて欲しい、との連絡を受けた。 同意が不要となる例外的なケース 例外的に、本人の同意なく第三者に個人情報を提供できる 場合がある ・法令に基づく場合 ・人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合  であって、本人の同意を得ることが困難であるとき 等 個人情報の管理 ・個人データを正確かつ最新の内容に保つとともに、利用  する必要がなくなったときは、延滞なく消去するよう努  めなければならない ・個人データの漏えい、滅失等を防ぐため、安全管理のた  めに必要かつ適切な措置を講じなければならない  ⇒ 個人情報保護法ガイドライン 漏洩した場合 ・要配慮個人情報や、不正利用により財産的被害が生じる  おそれがある個人データ等の漏洩が発生したおそれがあ  る場合、「個人情報保護委員会への報告」と「本人への  通知」が必要 ・本人への損害賠償責任 基本的な注意点 ・個人情報を含む資料を机のうえに放置しない ・データを持ち出さない ・パソコンやUSBメモリーに「パスワード」を設定する ・ウィルス対策ソフトをインストールし、更新する ・メールで資料を送るときには「パスワード」を設定する ・CCに注意! ・怪しいメールは開かず、怪しくなさそうなメールにも注  意する ・安易に無料Wi-Fiに接続しない 関連して… <ケース4> 相談員のAさんは、相談を通して仲良くなったBさんと一 緒に写真を撮り、その写真をAさん個人のフェイスブック にアップした。 肖像権やプライバシーに注意 ・承諾なく自分自身を撮影されたり、撮影した写真を公表  されない権利 ⇒ 相手の承諾なく写真を撮ったり、撮  った写真をSNSにアップした場合、肖像権侵害となる ・個人が特定できない写真=個人情報 ・プライバシー侵害 ・守秘義務違反 まとめ @ 個人情報保護の基本は「本人の同意」 A 例外的に、その人の命を守るために「本人の同意」が   不要な場合がある B 要配慮個人情報を扱う場合はより慎重に…           〜ご清聴ありがとうございました〜